1 パリサイ人シモンがイエスを自宅に招き、食事を振る舞いました。しかし、彼のイエスに
対する態度は、①挨拶に欠け、②足を洗う水も用意せず、③頭に油を塗ることもしない不
遜なものでした。シモンには評判のイエスを自分が値踏みしたい気持ちがあったのです。
2 すると、その宴席に招かざる客が訪れます。匿名の罪深い女性です。彼女は、①香油の壺
を持参し、②イエスの足元に近寄り、③涙で主の足を濡らして髪で拭い、④主の足に口づ
けをして香油を塗りました。宴席のホストであるシモンは女性の罪深さを裁き、彼女のす
るがままにさせているイエスに対しても、裁きの思いを抱きます。
3 イエスはシモンにたとえ話を通して、彼よりも女性の方がより主を愛したと教えました。
50デナリと500デナリで借金額は違いますが、共通点があります。自力で返済できないこ
と、金貸しが借金を帳消しにしてくれたことです。人は誰も、神の前に自力で返済不可能
な負債(罪)を負う「罪人」です。シモンは自らの罪に対する自覚に欠けるゆえ、他者を
裁き、罪に定めていました。一方、匿名の女性はその振る舞いに表れていたように、罪の
自覚を持った人でした。すがる思いで近づく彼女に、主は赦しの宣言を与え、平安の内に
生きるよう促したのです。あなたは神の前で自分がどういう存在か、知っていますか。自
分の罪に悲しみ、主の元に近づく者となりましょう。十字架の主は今日もあなたを赦し、
平安の内へと送り出してくださいます。