1 エサウと別れたヤコブは、ベテルの手前にあるシェケムに土地を購入して留まります。そ
れは神の導きではなく、彼の独断でした。自分の思いや感情で行動する弱さが残っていた
のです。しかし、その地で、娘ディナが有力者の息子シェケムに陵辱される事件が起こり
ます。その上、彼はディナとの結婚を望んできたのです。カナン人の倫理基準は、ヤコブ
一族のそれとは大きく異なっていました。
2 結婚申し出のため訪れたシェケムの父ハモルは、この機に両者が同化することを提案しま
す。それに対して、ヤコブの息子たちは、割礼を受けることをその条件として提示します。
しかし、その動機は彼らを騙すためでした。残念なことに、父の悪しき性質が継承されて
いたのです。
3 割礼を受けてから三日目、剣を携えて急襲したシメオンとレビによってシェケムの人々は
虐殺され、略奪されました。復讐というにはあまりにひどい蛮行です。怒りを制御できな
いことが過ちを生み、人生そのものをも狂わせてしまいます。あなたは、怒りに振り回さ
れていませんか。負の感情で揺れ動く心の内を明け渡し、聖霊に導かれて怒りを治める生
き方をさせていただきましょう。息子たちの蛮行を知ったヤコブは、しかし自己保身の恐
れを口にするばかりでした。彼の姿から、中途半端に妥協する信仰の危うさ、弱さを教え
られます。日々、主のみことばに聴き、聖別されていく(御心を知り、行う)ことを求め
ましょう。