1 ハランで家族を得たヤコブは、故郷に帰らせてほしいと義父ラバンに願い出ました。しか
し、ラバンは丁寧にそれを断ります。ヤコブの家族もラバンの所有であり、したたかなラ
バンは自分に祝福をもたらしてくれるヤコブを手放したくはなかったからです。
2 ヤコブは引き下がらず、自分のこれまでの働きをアピールし、独立を求めました。そして、
両者に報酬の約束が交わされたのです。今後、ラバンの群れに白でない毛色の羊、黒でな
い毛色の山羊(希少品種)が産まれた時にはヤコブの所有となると定められました。しか
し、狡猾なラバンは、一匹たりともヤコブの所有になる家畜が産まれないように策を弄し
ます。ヤコブもまた奇妙な策で対抗し、駆引きの結果、ヤコブの群れが栄え、ラバンの群
れは衰えていったのです。
3 ヤコブはアブラハムに与えられた神の祝福を受け継いだ器であり、彼を祝福する者を神は
祝福なさるのです。ラバンはヤコブにある神の祝福に気づいていながら、表面的な繁栄の
みを追い求めました。祝福の源である神を求めず、奪い尽くそうとする貪欲が彼の衰えに
つながったのです。第一のものを第一にするという、幸いな人生の秘訣を大切にしましょ
う。一方、ヤコブは自分の行く先々に常に全能の神の臨在が共にあるという信仰を明らか
にしています。イエスを信じるあなたもその行く先々に神の臨在が伴う、祝福の器です。
神が味方であり続けてくださる人生の、なんと幸いなことでしょうか。