1 物乞いをしていた盲人が癒された奇跡は、多くの人々の関心を呼びました。しかし、パリ
サイ人はこの喜びを逆手にとってイエスの行為には安息日規定への違反があるとケチをつ
け、盲人本人や両親に尋問をします。そして、自らの体験を証言し続けた彼を会堂から追
放(共同体から追放)してしまったのです。
2 パリサイ人と盲人は実に対照的です。前者が知識に長け、細かな規定も熟知し、他者を指
導する権威を有しているのに対し、後者はたった一つのことしか知りません。それは、盲
目だった自分が主に見えるようにしていただいたという恵みの事実であり、だからこそ彼
はそれを告白し続けます。これこそ、キリスト教信仰です。後に、ペテロやヨハネ(使徒
4:19〜20)、パウロ(Ⅰコリント2:2、4:20)も同様に、我が身に起こったたった一つの
事実(救いの事実)を告白しています。どんな時にも、ひたすらにこの一事だけを証し続
けましょう。
3 せっかく見えるようになったのに会堂から追放された元盲人は、孤独を感じ、不信感を抱
いていたかもしれません。しかし、その彼の所に主イエスがおいでになり、「あなたは人
の子を信じますか」、すなわち「あなたの目を開けた救い主を信じますか」と問うてくれ
ました。初めて主の姿形を見た彼は、信仰を告白して礼拝したのです。あなたは今、ハッ
キリと主イエスを見つめていますか。今日も救いの恵みに感謝して、主だけを心から礼拝
しましょう。