1 5章冒頭には、富を自らの神としている人への厳しい言葉が記されています。当時の価値
ある富の数々(農作物、着物、金銀)は、どれも永久に続く価値を持つものではありませ
んでした。にもかかわらず、富を第一として生きるなら①搾取の罪、②贅沢の罪、③暴虐
の罪に陥りやすいのです。金持ちであることが罪なのではなく、多くの富を持つがゆえに
神を忘れた生き方をすることが罪なのです。
2 また、富とはただ貯え、自分の持ち物を増やすためのものではなく、正しく使ってこそ真
価を発揮するものです。どんな富も、終わりの日にはその価値を損なってしまいます。だ
からこそ今、正しく用いるための知恵が必要なのです。世と世にある物は過ぎ去ることを
知り、地上の富を用いて天にあなたの宝を積む生き方を選びませんか。
3 聖書が富を得ることについて警告を発し、厳しい態度で臨んでいるのは、人が富を得るこ
とが神のご性質(与える愛)と真っ向から対立する生き方(自分中心)につながりやすい
からです。ひとり子をも惜しみなく与える神の愛によって生かされていることを忘れず、
富に対する態度においても、主に従い、主に倣うことを貫きましょう。自分を楽しませる
ための蓄財に血道をあげるのではなく、神を信頼して積極的に与える人となりましょう。