1 「信仰による救い」というキリスト教の中心的教えを知る者にとって「行ないによる救い」
を強調しているようなヤコブの手紙は、違和感を感じさせるものです。しかし、実は聖書
は「信仰だけが大切」とか「行いさえあればいい」という二者択一でなく、「救いはイエ
スを信じる信仰による。そして、その信仰が本物かどうかはその人の行いに現れる」と言
っているのです。
2 ここで指摘される本物でない信仰とはどのようなものでしょうか。①言行不一致の信仰→
言葉と行ないの一致しない信仰は、具体的な助けを必要とする誰かのためになりません。
また、神をも喜ばせることはできません(マタイ25:42〜43)。②頭だけの信仰→神の存
在を認めているのは悪霊も同じとヤコブは言います。信仰には理性と感情が伴いますが、
知識がやがて理解に、理解がやがて人格的な信頼に進んでいくのが本当の信仰です。
3 では、本物の信仰とはどのようなものでしょうか。①よい行ないに現れる信仰→神があな
たを救ってくださった目的は、あなたがよい行いに生きるためです(エペソ2:10)。究極
のよい生き方(十字架)をなさったキリストに結びつき、よい行いをする者へと変えられ
ましょう。②主への個人的より頼みから始まる信仰→あなたは主イエスへの信頼をどんな
表現で言い表しますか。いきいきとした主との関係を築いていますか。日々、真実な「信
仰生活」を送る者となりましょう。