1 エステル記は、紀元前 5世紀のユダヤ人救済の出来事を記します。「神」という言葉の出
てこない珍しい書ですが、内容を見れば、そこに確かな神の臨在と介入を発見できます。
舞台はアケメネス朝ペルシャです。ペルシャがバビロンを破ったことで、ユダヤ人は母国
に帰る願いが叶いましたが、なおペルシャに残る人々もいたのです。
2 アハシュエロス王の宴会で、事件は起きました。王妃ワシュティが王の呼び出しを拒んだ
のです。プライドを傷つけられた王は家臣に相談し、彼女を追放する法例を定めました。
怒りが冷めてから後悔しますが、後の祭でした。感情の赴くままに行動してしまうことが
ありませんか。興奮状態にある時は、自分の不完全な主張が絶対的に思え、失敗しやすい
ものです。絶対的な権威を持つ魂の監督者(神)の助言に聞くべきです。感情ではなく、
み言葉に従いましょう。
3 新王妃選びのため集められた美しい娘たちの内の一人が、ユダヤ人エステルでした。養父
の愛情を受けて育ち、誰からも愛される内面の美しさと従順という特質を持っていました。
その彼女が王の目に叶い、王妃となったのです。なぜこんなことが自分に起きたか、彼女
には皆目わかりません。しかし状況に一喜一憂せず、未だ明らかでない神の御心に期待し
たのです。あなたもまた、見えざる神の御手によって導かれています。「すべてが益とな
る。神の栄光となる。」という希望の視点から人生を見つめていきましょう。