1 ギデオンが生きていた紀元前11世紀頃、イスラエル民族は約束の地で各部族ごとに定住生
活をしていました。それは半遊牧民だった彼らが農耕牧畜中心の生活に切り替わった時代
でしたが、一方で民族の一致を失い、異民族の影響で偶像礼拝に傾いた時代でもありまし
た。その結果、イスラエル民族はしばしば外敵の侵入を受け、苦しみの中で神に叫び求め
ていたのです。
2 ギデオンの時代の最大の脅威は、ミデヤン人でした。ラクダを駆り、機動力抜群の彼らに
収穫物や家畜を根こそぎ奪われ続けたイスラエルを救うため、神が立てたのはギデオンで
した。しかし、彼は「勇士」にはほど遠い、臆病で悲観的な人物でした。主の使いとギデ
オンの会話を見ると、彼が何も信じていなかったことがわかります。第一に、彼は神を信
じていませんでした。遥か昔は救ってくれたけど、今は何もしてくれないじゃないかと愚
痴っています。しかし、神を信じられないことこそ、人間にとって最大の不幸なのです。
神を信じることが、あなたを現実の恐れから解放し、希望を抱かせる一歩になるのです。
第二に、彼は自分を信じていませんでした。それは自己評価の低さを伺わせる言葉の数々
に明らかです。あなたは自分には価値があり、与えられた能力があり、神と他者を喜ばせ
るための意義ある生き方ができると信じていますか。第三に、彼は未来を信じていません
でした。主の使いにしるしを求めるほどに、神が共にいて開かれていく自分の未来を信じ
きることができなかったのです。あなたは、主と共にいく未来を希望を抱きつつ、見据え
ていますか。
3 現実的にはとても勇士と言えないギデオン。しかし、主なる神は彼の中に未来の勇士の姿
を見ておられたのです。神が繰り返し語られたように、問題解決の鍵は「あなた」にあり
ます。ギデオンが主を信じて祭壇を築く小さな一歩を踏み出したように、あなたも新しい
年、主と福音のために小さくても確実な一歩を踏み出しませんか。全能の神が共におられ
る恵みを受け取り、主の勇士としていただきましょう。