1 十戒の第二戒は、「偶像を造り、礼拝すること」、即ち「偶像崇拝」を禁ずる戒めです。
真の神以外のものを自らの偶像として生きるならば、主の名を呼びつつも、神を神として
いない、空しい生き方につながってしまいます。出エジプト32章には、シナイ山に登るモ
ーセの不在中に、イスラエルの民が「金の子牛」の偶像を造って拝んだ出来事が記されて
います。民は不安のゆえに、目に見える神を求めて偶像を造りましたが、それは神から激
しい怒りを買う振る舞いでした。イスラエルの民のどこが間違っていたか、そこに偶像崇
拝の本質があります。
2 第一の間違いは「真の神を、自分たちの浅はかな理解と想像力の中に押し込めようとした
こと」でした。⇒牛は、当時のエジプトにおいてしばしば偶像のモチーフとされていまし
た。イスラエルの民はエジプト時代を思い起こし、牛の偶像を造って拝みましたが、それ
は真の神に造られた人が、自らの手と知恵で神を造ろうとする愚かな行為でした。真の神
は人に造られたり、助けられたりする存在ではありません。あなたは、真の神を自分のイ
メージの中に押し込めていませんか。万物に命を与え、永遠に変わらぬ神の御栄えを正し
く受け止めていますか。
3 第二の間違いは「神を自分のために造ろうとしたこと」でした。⇒偶像とは、人が自分の
ために造る神に他なりません。その根底にあるのは、自らを真の神が座るべき心の王座に
置く、自己中心です。偶像の神は「物言わぬ神」ですが、真の神は聖書を通してあなたに
命の言葉を語る神です。神のイメージを、自分に都合のいいものにしていませんか。そん
な自分を捨て、真の神に自らを明け渡してひれ伏し、主の御声を聴こうとしていますか。
悔い改めて心の偶像を捨て去り、真の神だけを心の王座に迎えましょう。そこに、尽きる
ことない千代の祝福が、約束されているからです。