1 エジプト王宮で育てられたモーセは、言葉にもわざにも力ある、ひとかどの人物となりま
した。しかし、自分はイスラエル人と知る彼の心から同胞の解放を願う思いは消えず、実
現のために力を蓄えていたのです。
2 同胞を思う余り、殺人を犯したモーセ。しかしその結果は、全てを失う惨めな有様での逃
亡でした。何がいけなかったのでしょうか。
①取った方法⇒たとえ良かれと思ってした暴力であっても、決して良い実は結びません。
自分勝手な正義や裁きでは、信頼関係は築けないのです。
②感情任せ、自分の力に頼る判断ミス⇒苦しむ同胞を憐れむ思いは尊いものでしたが、そ
れを感情に任せて性急に、しかも自分の力で為そうとしたのは大きな誤りでした。たと
えあなたの思いが神の計画と一致していても、先走って自分の力や思いで行動すれば、
失敗します。神には神の時があることを忘れず、それが満ちるのを待つ賢さを求めまし
ょう。
3 逃れ先のミデヤンで、モーセは一見無為と見える40年を過ごします。しかし、その40年に
神の取り扱いがあったのです。
①心の傷の癒し⇒あなたの心の傷を癒すのは主なる神だけです。
②謙遜で祈る人に⇒モーセは自分が何者でもないと徹底的に悟らされたことで、神に祈る
者とされ、他者の心を省みる謙遜さを身につけました。それは、弱く小さくされた彼の
上に、神の強さが現れるためでした。あなたの失敗も神は用いて、大いなることをなさ
り、新しい出発を備えてくださると知っていますか。
引き続く苦しみに呻く、イスラエルの民の声を神は聞いていました。既に救いの種が、エ
ジプトの地に埋められていたのです。詮方尽きて後がないその時こそ、神の時であると信
じましょう。暗闇の時は、救いの間近き時なのです。