1 ピリピ人への手紙は、囚われの身にあったパウロが著した獄中書簡の一つです。ヨーロッ
パ伝道の初穂であり、その後も健全に成長し、パウロの宣教を経済的にサポートし続けた
ピリピ教会に宛てたこの手紙は、希望と喜びに満ちているのが特徴です。しかし、ピリピ
教会にも問題はありました。女性指導者間の対立(4:2)が、暗い影を落としていたことを
踏まえ、パウロは教会の「一致」を勧めています。
2 彼は、どのようにピリピ教会を一致に向かわせようとしたでしょうか。第一に、「主イエ
ス・キリストとひとつになりなさい」と勧めました。それは、「キリストの心を心とせよ
(2:5 文語訳)」という勧めであり、全てのクリスチャンの共通点、救い主イエスに目を
向け、その心に合わせていくことです。人となってこの世に来られ、十字架の死に至るま
で低くなられた、主のへりくだりの心(2:6〜8)を、自分自身に求めましょう。主との関
係を、ますます深く、豊かにしていきましょう。
3 第二に、「兄弟姉妹とひとつになりなさい」と勧められています(2:2後半)。「同じ愛の
心を持ち」とは、同じ種類と性質の愛を持ちなさいということです。人間の愛も貴くはあ
りますが、自己中心の限界を越えることはできません。お互いが愛のない自分であると認
め、神の愛を注いでくださいと求めることが必要です。「心を合わせ」とは、へりくだっ
て互いを認め合うことから生まれる調和のことです。「志を一つにして」とは、ビジョン
の共有です。神の栄光と人の救いのため、心を一つにしていくことが、教会の一致です。
2017年、明石キリスト教会が、更に主にあってひとつとされ、神の栄光と人の救いのため
に用いられるよう、祈り求めましょう。