1 刑場であるゴルゴタの丘で、イエスは午前九時に十字架に付けられました。十字架刑
は十字の形をした木に手足を釘で固定される刑罰で、呼吸困難の苦しみの末に悶絶の
死を迎える、ローマでも忌み嫌われた残酷な処刑方法でした。
2 十字架の前に立っていた人々の姿には、人間の「罪」が浮き彫りにされています。
①ローマ兵→悶え苦しむイエスをよそに着物を分け、自分の取り分を得るのに夢中で
した。この世のことにのみ関心を向け、真の神へは全くの無関心という罪の現実が
ここにあります。
②群衆→口々に苦しむイエスを罵りました。人の傷や苦しみに共感するよりも、自分
の感情に任せて弱い者をいたぶる罪の現実がここにあります。これは愛の神から離
れているがゆえに起こる罪の姿です。
③祭司長達→十字架から降りれば信じてやるとイエスを挑発しました。自分が神でで
もあるかのように高き所に立って振舞う、高ぶりの罪がここにあります。自分の人
生から創造者・主権者である神を追い出し、自分中心に生きるこの姿こそ、罪の根
源です。自分の中にこれらの罪があると認めますか。
3 彼らの姿を通し、神は「十字架をどのように見ているか?」と問うています。あなた
は、イエスの十字架を他人事のように見ていますか。それとも、自分自身のための
出来事として受け止めていますか。自らを「罪人の頭」と呼んだパウロのように、十
字架のイエスなしに赦されず、生きられない者であると自らを認めて、十字架の主の
贖いをいつも思い、感謝し、とどまり続ける者となりましょう。