1 イエスの裁判が行われていた大祭司の家の中庭に、こっそり忍び込んだのはペテロで
した。一度は主を見捨てて逃げ出しつつも戻ってきた彼は、しかし裁判の場に乗り込
むこともできない、中途半端な状態でした。信仰と不信仰の間を揺れ動く彼は、女中
にイエスの仲間だろうと指摘されて慌てて出口の方へ向かったのです。時に誰かの言
葉で自分の霊的状態、主との距離感を示されることがありませんか。
2 追い打ちのように人々からイエスの仲間だろうと指摘されて、遂にペテロは三度イエ
スを否み、自分に呪いをかけてまで関係ないと否定したのです。主を否むことは恐ろ
しい罪です。彼は中途半端に大祭司の家に行き、主を嘲る人と共に不用意に座ったこ
とで罪に陥っていきました。誘惑に勝利し、罪に陥らない生活をするために、①中途
半端に誘惑に近づかないこと、②自分がクリスチャンと表明できない仲間とは付き合
わないこと、③目を覚まして祈ることを大切にしましょう。
3 三度目に主を否んだ時に響いた鶏の声を聞いてペテロは主のみ言葉を思い出し、自分
の弱さ、罪深さを思い知らされて泣き崩れました。しかし単なる後悔ではなく、三年
の間語りかけられていた主のみ言葉を思い起こし、それによって彼の肉(自分中心の
自分に頼る生き方)が砕かれ、神中心に生きる人に変えられていったのです。シモン
(葦)であった彼をペテロ(岩)に変えたのは、主イエスの恵みです。たとえ罪人で
も、失敗しても、弱くても、どんな人も主にあって強くされ、新しい歩みをさせてい
ただけます。主のみ言葉を求めましょう。