1 往来でイエスの元に走り寄ってきたのは、永遠のいのちを求めた一人の男でした。若
くして地位も財産もあった彼のよい点は、①イエスを尊敬し謙虚な態度で近づいたこ
と、②自分には永遠のいのちが必要だと感じていたことです。あなたは、どんな心で
主に近づいていますか。
2 しかし彼には決定的に欠けた点があり、主はそれを明らかにされました。それは彼を
辱めるためではなく、慈しんで(愛をもって)なさったことでした。彼に欠けていた
のは自分の弱さや足りなさを認め、己を無にして救ってくださる神に頼ることです。
彼にはよい点だけでなく、誤った点もありました。①自分の力や行いで永遠のいのち
を獲得できると思っていた→律法遵守の自負心を持つあまり、律法という鏡の映すあ
りのままの自分(罪人の自分)から目を逸らし、表面的な善行を積み重ねようとして
いました。しかしそもそも救いは行いによらず、全ての人は神の前に罪人なのです。
②財産を神としていた→全財産を施すよう勧めた主の言葉は、彼自身と神との関係を
問い正すためでした。彼にとって財産は神以上に信頼すべき存在で、決して失われて
はならないものでした。イエスは彼にその誤りに気付かせ、もう一度真の神に頼る人
生の選択を迫りました。しかし、残念ながら彼は悲しみつつ去りました。財産を選ん
だのです。
3 あなたは、真の神を心の王座に据え、いつどんな時も信頼していますか。今、神以外
のものに心縛られたり、頼ったりしていませんか。祈りの内に自らの信仰を吟味し、
第一のものを第一としていきましょう。そこに永遠のいのちの喜びが溢れます。