1 山を降りたイエスは、たちまち待ちわびていた群衆に取り囲まれました。そこに一人の父
親の悲痛な叫びが響きます。悪霊に憑かれた息子の解放を、麓に残る弟子たちに求めたも
ののできなかったというのです。ここに二つの無力があります。①父の無力→苦しむ我が
子を救えない無力です。②弟子の無力→9章初めでは主に託された力と権威を発揮できた
彼らですが、ここでは全くの無力でした。あなたも自分の無力に嘆くことがありますか。
2 イエスは、無力な弟子たちの不信仰を嘆きました。神の恵みは人の信仰という管を通して
注がれますが、その管が詰まっていたら恵みは流れることができないのです。しかし、嘆
きつつも決して尽きることのない、主の愛と憐れみにこそ希望があります。今日もあなた
を愛し、憐れみ、支え、担ってくださる十字架の主を仰ぎましょう。
3 自分の力を誇示するかのように息子を苦しめる悪霊を、主は一言の下に追い出し、人々は
顕された神の御力に驚嘆するばかりでした。不信仰がもたらす苦しみと悩みが満ちる世を
救うために、十字架の贖いの死に至るまで忍耐を貫いてくださった主を崇めましょう。そ
して主に対し、信仰の応答を重ねましょう。あなたは、どんな状況下でも自分の信仰のス
イッチを入れていますか。偉大な力ある主はこの小さな信仰にも必ず答えてくださると確
信して、なおも真実な祈りをささげようではありませんか。